
顔型がハート型か逆三角形かという議論は、ほとんどが呼び名の問題です。どちらも通常、額やこめかみの周辺が最も広く、幅の狭いあご先に向かって細くなる顔を指します。富士額だと輪郭がよりハートらしく見えることがありますが、それによって顔の輪郭が別の種類になるわけではありません。頬骨や下あごの部分が実際に最も広いのでなければ、ひとまず同じ分類として扱ってください。
2つの呼び名が重なる理由
顔型の名前は、スタイリングのための簡略な呼び方です。医学的な診断でも、固定された生物学的分類でもありません。顔の比率は連続的に変化しており、顔型チャートによってその区切り方が異なります。
SamizadehとWuによる2018年のAesthetic Plastic Surgeryの調査では、漢民族の中国人回答者1,417人に、図で示した8種類の顔型を提示しました。著者らは、そのうちのハート型を「逆三角形」と説明しています。この調査で調べたのは好みであり、分類の正確さではありません。それでも、この表現からは、2つの名前が同じ輪郭を指し得ることが分かります。
Allansonらは、2009年の臨床形態学の論文で、より解剖学的な観点から顔を捉えました。三角形の顔の輪郭を、こめかみの部分が広く、幅の狭いあご先に向かって細くなる形と定義しています。富士額は、生え際の特徴として別に挙げています。この論文はサロンでの助言ではなく、臨床上の特徴の記述を目的としたものです。それでも、この区別は役立ちます。生え際の形と顔の輪郭は、同じ特徴ではありません。
Towler、White、Kempも、2014年のPerceptionの実験で、実用上よく似た扱いをしています。実験で用いた見本では、7種類の顔型のうち1つを「三角形/ハート型」とまとめていました。28人の参加者が、20人の人物を写した100枚の写真を分類しました。同じ人物を写した5枚の写真に対し、評価者が付けた顔型は平均2.65種類に分かれました。同一の写真でも、同じ分類が付いたのは56%にとどまりました。
この研究で調べたのは人物の同一性の照合であり、美しさやスタイリングではありません。顔型が役に立たないと証明したわけではありません。分類の境界にある顔に、どちらも妥当な2つの呼び名が付く理由を示しています。
名前ではなく輪郭を見ます
まずは、生え際の中央の突き出た部分を気にせずに見てください。代わりに、目で確認できる4つの特徴を比べます。
- こめかみ周辺の、顔の上部の幅。
- 左右の頬骨の間で最も幅が広い部分。
- 下あごの幅と角度。
- 顔の上部からあご先に向かって、どの程度細くなるか。
ハート型や逆三角形の顔は、顔の上部が見た目に広く、あご先に向かって細くなります。あご先は、とがっている場合も、緩やかに丸みを帯びている場合もあります。富士額はハート型の印象を強めることがありますが、必須ではありません。
「三角形」という言葉は、避けられるはずの混乱を招きます。スタイリング用の顔型チャートには、下あごが広く額が狭い形を三角形とするものがあります。反対の輪郭を指すものもあります。名前を選ぶ前に、「顔の上部が下あごより広い」など、見えている特徴を書き留めてください。
判断を変えてしまわない写真を撮ります
近距離の自撮りでは、比べたい顔の比率そのものが変わって見えることがあります。NoyesとJenkinsによる2017年のCognitionの実験では、ヨーク大学の学生45人に、0.32と2.70 metresの距離から撮影した顔写真を照合してもらいました。写真を同じ大きさで表示しても、撮影距離が変わると、見慣れない顔を照合する正確さが低下しました。
角度も重要です。MoretonとMorleyは2011年に、25人を異なるカメラの角度から撮影しました。顔の一部の計測値では、同じ人物の写真同士の差が、異なる人物の間の差と同程度になりました。どちらの研究も、顔型の確認に最適な距離を検証したものではありません。ただし、腕を伸ばして撮った広角の自撮りと、離れた位置から撮ったポートレートを比べることが適切でない理由は示しています。
以下の自宅での確認手順は、本記事で提案する方法です。人体計測の検査として妥当性が検証されたものではありません。
- タイマーを使うか、誰かに撮影を頼んでください。カメラは顔と同じ高さに保ちます。
- 普段の自撮りより離れた位置から撮り、後で画像を切り抜いてください。広角モードは避けます。
- レンズにまっすぐ顔を向けてください。頭を傾けず、表情を作らずに撮ります。
- 髪が頬や下あごにかからないようにしてください。自然な生え際は見えるようにします。
- 顔の上部、頬骨、下あご全体を比べてください。あご先だけで分類しないでください。
近距離の自撮りと離れて撮った写真で判断が食い違う場合は、より離れた位置から正面に近い角度で撮った写真を、スタイリングの参考にしてください。自撮りの距離によって顔型の見え方がどう変わるかのガイドで、光学的な仕組みをより詳しく説明しています。

判断に迷う場合の比較表
| 見える特徴 | 最も当てはまる説明 | 次にすること | 主な限界 |
|---|---|---|---|
| 顔の上部が最も広く、幅の狭いあご先に向かって徐々に細くなる | ハート型または逆三角形 | 2つの呼び名を同じ分類として扱います | 髪やカメラの角度によって、先細りが強調されることがあります |
| 頬骨が最も横に張り出し、額も下あごもそれより狭い | ダイヤモンド型のほうが有力です | ハート型とダイヤモンド型を見分ける頬骨のチェックを使います | 頬のふくらみで骨の輪郭が隠れることがあります |
| 下あごが最も広く、顔の上部のほうが狭い | 下あごの幅が目立つ形で、三角形や洋梨型と呼ばれることが多いです | チャートによって呼び名が異なるため、顔の比率をもとに考えます | ヒゲで下あごの境界が隠れることがあります |
| 各部位の幅が近く、あご先に向かってあまり細くならない | どちらの呼び名もあまり当てはまりません | 次に顔の長さと下あごの丸みを比べます | 多くの顔は分類の中間にあります |
| V字型の生え際だけがハート型を思わせる | 生え際の特徴であり、顔型を判断する根拠としては不十分です | こめかみ、頬骨、下あごの幅を確認し直します | 富士額が変えるのは顔を縁取る形であり、下あごではありません |
富士額だけでは判断できない理由
富士額は、生え際の2つの弧によって中央にできる、下に突き出た部分です。生え際が高いか低いか、後退しているかによって、写真に写る額の広さは変わります。それで、下あごに向かって細くなるかどうかは分かりません。
つまり、ハート型と呼ぶうえでV字型の生え際は必須ではなく、それだけで判断することもできません。これは本記事で用いる実用的な目安であり、研究で妥当性が検証された判定基準ではありません。変化し得る生え際だけで、顔のほかの特徴を無視して判断するのを防ぐためのものです。
それでも、前髪や分け目、短く刈り込む髪型には、生え際が関わります。生え際は別の特徴として記録してください。「顔の上部が広く、下あごに向かって細くなり、生え際が高くてまっすぐ」と伝えるほうが、顔型の名前1つより美容師の役に立ちます。

顔型の呼び名で実際に決まること
スタイリング用の顔型チャートが示唆するほど多くはありません。
ヘアカット:どちらの呼び名でも、試すことは同じです。下あごの近くに見た目の幅を加えるスタイルと、高さやこめかみ周辺のボリュームを加えるスタイルを比べてください。髪質、毛量、生え際、手入れに求める条件によって、答えは変わることがあります。ヘアカット選びで顔型をどの程度重視すべきかのガイドで、これらの要素の優先順位を整理しています。
眼鏡:まずはブリッジの当たり方、レンズの位置、つるが圧迫せずに収まるかを確認してください。顔型との相性は、フィット感を確かめた後です。ハート型と逆三角形で、フレーム選びの基準を変える必要はありません。輪郭だけで選ぶ前に、顔型以外に大切なフレームのフィット感の確認項目を見てください。
眉:自然な眉の生え方と、眉の下の骨を基本に考えてください。直線的な眉と高いアーチの眉を比べたい場合は、同じ照明の下でそれぞれ撮影します。どちらを好むかは、顔型の呼び名から予測できません。
ヒゲ:ヒゲは、取り外せる顔の枠として考えてください。下あごの両脇にボリュームを増やすと、顔の下部が広く見えることがあります。一方、幅の狭いヤギひげは、先細りのラインをさらに伸ばすことがあります。これは見た目を試すもので、体の構造を修正するものではありません。実際にできることは、ヒゲが生える範囲や向きによって制限されます。
具体例:呼び名は2つでも、判断は同じです
表情を作らずに撮ったポートレートを想像してください。こめかみが下あごより広く、頬骨だけが横に張り出しているわけではなく、あご先は緩やかにとがっています。あるチャートでは、生え際の中央が下に突き出ているため、ハート型と呼びます。別のチャートでは、輪郭全体が下に向かって細くなるため、逆三角形と呼びます。
どちらの答えでも、実用上は何も変わりません。ひとまず「顔の上部が広く、下部に向かって細くなる形」と捉えます。どちらの名前でも、同じ眼鏡、ヒゲ、ヘアカットの候補を試せます。
条件を整えて撮った写真でも分類の中間に見える場合は、鮮明な正面写真からの顔型推定を試してください。写真に写った顔の比率を推定するものです。骨格を確認したり、どのスタイルを選ぶべきかを決めたりすることはできません。

Oscar Nascimento
GlowUp Face 編集ライター
Oscarは、科学的根拠に基づくスキンケア、ヘルスケア、ルックスマキシング、見た目に関する社会・経済研究について執筆しています。
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