この分類の成り立ち
1951年、米国の研究者James Hamiltonが、男性の頭髪の脱毛パターンを報告しました。1975年にはO'Tar Norwoodが成人白人男性1,000人を調べ、図を改訂しました。植毛手術が広がる中で、共通して使える再現性のある表現が求められたためです。このことから、通常はハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれます。よく見られる遺伝性の男性型脱毛のために作られ、現在も多くの医療機関や研究で、そのパターンの進行度を示すために使われています。
参考:: Hamilton 1951; Norwood 1975
段階ごとに見る2つの部位
この分類は2つの部位を同時に見ます。前方ではこめかみから生え際が後退し、M字の形となり、後に中央も後退します。頭頂部では丸い範囲が薄くなることがあります。中間の段階では両方が広がりつつ、間に帯状の髪が残り、後期にはその帯がなくなってつながります。ノーウッドは、頭頂部に独立した脱毛部がなく、前方の生え際全体が後退するA型も記載しました。ある地域研究では、主に前方に変化がある男性は12%でした。
参考:: Norwood 1975; Gupta & Mysore 2016; Rhodes et al. 1998
II型とIII型:境界はどこにある?
II型は、こめかみに三角形の浅い後退があり、多くは左右がほぼ揃い、中央の後退は小さい状態です。III型ではこめかみが深く後退し、角の部分の髪がほとんどないか、薄くなります。ノーウッドはこれを、脱毛とみなす最小の段階としました。ただし実際の境界は明確な線ではなく程度の違いです。中央に対して左右の角がどのくらい後ろにあるか、角の毛が後方より細く短いか、季節をまたいで位置が変わるかが参考になります。境界ならII〜III型と表し、名称より数か月の傾向を見る方が役立ちます。
参考:: Norwood 1975; Gupta & Mysore 2016
それぞれの段階はどれくらい見られる?
パターンのある脱毛はよく見られ、通常はゆっくり進みます。18〜49歳の健康な男性を対象にした地域サンプルでは、42%がIII型以上でした。18〜29歳では16%、40〜49歳では53%でした。米国皮膚科学会は、10代後半から20代前半で始まることもあるものの、多くはそれ以降に現れ、白人男性の半数以上が50歳までに薄毛、生え際の後退、脱毛などの目に見える兆候を示すとしています。進む速さには大きな個人差があり、段階は現在の状態を示すだけで、将来の速度を示しません。
参考:: Rhodes et al. 1998; American Academy of Dermatology
専門家でも判断が異なる理由
ある研究では、皮膚科医7人と皮膚科研修医16人が同じ43枚の写真を分類し、著者らは一致度が十分でないと評価しました。3か月後に再評価すると、同じ評価者でも最初と異なる結果がよく見られました。対面では一致度が高く、訓練を受けた2人の観察者は85%で完全に一致しましたが、本人の自己評価が観察者と一致したのは約半数でした。照明、角度、髪の長さ、セットでも見え方は変わります。BASP分類など新しい方法では、男女ともに生え際の形と頭頂部の密度を別々に表しますが、どの分類でも判断は必要です。
参考:: Guarrera et al. 2009; Taylor et al. 2004; Lee et al. 2007
自分の写真を分類と見比べる
乾いた髪をセットせず、後ろへよけて正面写真を1枚、頭頂部を上から1枚撮ります。どちらもフラッシュを使わず、明るく均一な光で撮影してください。こめかみと頭頂部を別々に見て、近い2つの段階を選びます。図だけでなく自分の過去の写真と比べましょう。1〜3か月ごとに同じ条件で撮ると、1枚だけより変化がわかります。分類では薄毛の原因はわかりません。急な抜け毛、円形の脱毛、頭皮の痛みやふけ、眉毛や体毛の脱毛がある場合は、段階を数えるより皮膚科に相談してください。
参考:: American Academy of Dermatology
