
下顎角間幅で測るもの

下顎角間幅は、左右のゴニオン(下顎角点)を結んだ直線距離です。ゴニオンは、下顎の左右の角にある測定点です。下顎角間幅は幅そのものを表す値で、比率ではありません。較正していない写真から得られる幅は、ピクセルまたは相対的な単位で表され、ミリメートルでは表せません。ミリメートルの値を得るには、較正した臨床写真、縮尺のある3D撮影データ、またはキャリパーによる直接測定が必要です。
計算式は、下顎角間幅 = 左のゴニオンから右のゴニオンまでの距離です。頬骨弓幅 = 左のジギオンから右のジギオンまでの距離です。ゴニオンは顎の角の点、ジギオンは頬骨の外側の点を指します。顎幅と頬骨幅の比率 = 下顎角間幅 ÷ 頬骨弓幅です。その逆数は、頬骨弓幅 ÷ 下顎角間幅 = 1 ÷ 顎幅と頬骨幅の比率です。
同じ例の数値を使うと、76 ÷ 100 = 0.76です。逆方向では、100 ÷ 76 = 1.32となります。1.32は丸めた値です。幅には単位がありますが、どちらの比率にも単位はありません。
四つの測定点の位置
ゴニオンはgoと略し、左右それぞれの下顎角で最も外側にある点を指します。簡単にいうと、縦に伸びる下顎枝が下顎体につながる、顎の後方の角です。ジギオンはzyと略し、左右それぞれの頬骨弓で最も外側にある点です。頬骨の幅が最も広くなる位置に当たります。
出典での測定点の定め方は、方法によって異なります。従来の人体計測では、骨のゴニオンを触って確認し、開脚式キャリパーを使います。Allansonらは、2009年の標準用語の文献で、この直接測定の方法を説明しています。3D表面スキャンでは、顔の表面に点を置きます。正面写真では、見えている輪郭上で対応する点を推定することしかできません。
CapleとStephanは、2016年の測定点の名称体系で、この違いを明確にしました。3Dや触診で定める測定点の一部は、写真では推定による「準ランドマーク」になると説明しています。それぞれの点をゴニオンと呼んでいても、測定方法を置き換えて使えるわけではありません。
幅、比率、角度は分けて考える
- 下顎角間幅の値:ゴニオンからゴニオンまでを、距離として記録します。
- 頬骨弓幅の値:ジギオンからジギオンまでを、こちらも距離として記録します。
- 顎幅と頬骨幅の比率:下顎角間幅を頬骨弓幅で割った値で、単位はありません。
- 下顎角の角度:顎の角の角度で、度で記録します。顎の幅ではありません。
顎の幅の値が大きくても、頬骨の幅も大きければ、比率はそれほど大きくならないことがあります。逆数の比率は、同じ関係を反対方向から表しています。顔の縦方向の測定値と比較する場合は、顔の幅と高さの比率のガイドで、それぞれの計算式を区別して説明しています。顎の角そのものの角度については、下顎角の角度のガイドをご覧ください。
写真では推定にとどまる理由
2D写真による推定には、軟部組織、レンズからの距離、頭の向き、表情が影響します。骨を測ったり、臨床的な測定値を出したりすることはできません。
Lim、Abdul Shakor、Shaharudinは2022年に、マレーシアの成人96人を対象として、直接測定と2D写真による測定を比較しました。下顎角間幅と頬骨弓幅には、方法の間で無視できないずれがありました。下顎角間幅は、測定者間の信頼性も低い結果でした。この結果は、その研究の条件に当てはまるものですが、自撮り写真を骨格の測定と呼ぶべきではない理由を示しています。
MoretonとMorleyは、2011年の条件を管理した研究で、25人を異なるカメラ角度から撮影しました。顔の比率の一部では、角度によって生じる同じ人の中での変動が、異なる人同士で見られる変動に達しました。この研究の法科学的な目的はスタイリングの確認とは異なりますが、カメラに起因する問題は同じです。
こうした限界について詳しくは、AIは顔写真から何を測定できるのかをご覧ください。

ピクセルを使った計算例
この例では、傾きのない正面画像上に設定した架空のx座標を使います。どの行も、実在する人、顧客、製品の結果を表すものではありません。それぞれの幅は、右側のx座標から左側のx座標を引いて求めます。二つ目の行では、画像の縮尺を倍にしています。三つ目の行では、印をつける位置の小さな誤差を試しています。
| 条件 | 左ゴニオンのx座標 | 右ゴニオンのx座標 | 左ジギオンのx座標 | 右ジギオンのx座標 | 下顎角間幅 | 頬骨弓幅 | 下顎角間幅 / 頬骨弓幅 | 頬骨弓幅 / 下顎角間幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 基準となる配置 | 12 px | 88 px | 0 px | 100 px | 76 px | 100 px | 0.76(単位なし) | 1.32(単位なし) |
| 同じ配置を2×の縮尺にした場合 | 24 px | 176 px | 0 px | 200 px | 152 px | 200 px | 0.76(単位なし) | 1.32(単位なし) |
| 左右のゴニオンをそれぞれ2 px内側に記した場合 | 14 px | 86 px | 0 px | 100 px | 72 px | 100 px | 0.72(単位なし) | 1.39(単位なし) |
位置のずれへの感度を示す行では、左右のゴニオンの印をそれぞれ2 px内側に動かしています。顎の幅の値は、76 pxから72 pxへと4 px小さくなります。顎幅と頬骨幅の比率は0.04下がり、丸めた逆数は0.07上がります。
縮尺を変えた行は、カメラとの距離、トリミング、画像のサイズ変更によってピクセルでの幅が変わる理由を示しています。比率では、全体を均一に拡大・縮小した影響は相殺されますが、顔の向きや遠近による影響は相殺されません。比率を比較するのは、同じ方法で撮った写真同士に限ってください。
繰り返し撮る写真で誤解を招きにくくするには
- 毎回、同じカメラ、レンズ、距離、画像サイズ、トリミングを使います。カメラは顔の高さに保ちます。
- 頭を傾けず、自然な表情でカメラにまっすぐ向かいます。歯を食いしばらず、顎の力を抜きます。
- 髪が頬や顎の輪郭にかからないようにします。ひげが変わった場合は、印を比較する前に、その変化を記録します。
- 画像を動かさずに左右に印をつけ、その後もう一度、印をつけ直します。表に示したように、2 pxのずれでも影響が出ることがあります。
これらの手順は、一貫性を高めます。ただし、自宅で撮った写真を臨床的な測定として妥当なものにするわけではありません。
見た目の顎の角の位置を変えるもの
軟部組織は、下顎骨を覆う輪郭を変えます。歯を食いしばると咬筋が盛り上がり、顔の下部が広く見えることがあります。顎の力を抜くと、骨が変わらなくても輪郭が変わります。
ひげは、顎の輪郭を外側に広げて見せたり、輪郭を隠したりします。濃いひげは、測定点を毎回同じ位置に置くことも難しくします。頬の横にかかる髪は、ジギオンの位置の推定を妨げることがあります。
顔を横に向けると、まっすぐ正面から見た幅ではなく、投影された幅になります。片側はカメラに近づき、反対側は遠近によって短く見えます。少し向きを変えるだけでも、幅と比率の両方が変わることがあります。

すべての人に共通する理想の比率はありません
人体計測の参考値は、調査した集団の特徴を示すものです。美しさの目標を定めるものではありません。Farkasらは2005年に、複数の集団に属する18歳から30歳の成人1,470人を測定しました。顔の各部の寸法は集団間で異なり、いくつかの標本は人数が少なかったため、研究は予備的なものだとしています。
Weinbergらは2016年に、米国の3歳から40歳の参加者2,454人のデータから、年齢別・性別の集計を作成しました。これらのデータは、研究や臨床での比較に役立つものです。美しさを判定する境界値ではありません。
どちらの研究も、あなたの顎の幅が「どれくらいであるべきか」を示すことはできません。参考値は、調査した集団と測定方法によって変わります。集団の平均は、魅力の基準ではありません。
幅の関係をスタイリングの選択肢に生かす
この比率は、見えている輪郭が頬骨から顎にかけてどれくらい細くなるかを表せます。その輪郭に修正が必要かどうかは判断できません。
- 髪:こめかみや頬の近くでサイドにボリュームを出すと、見た目の重心を上に移せます。サイドをすっきりさせると、顔の下部の輪郭が目立ちやすくなります。
- ひげ:顎の角の部分にボリュームを出すと、見た目の輪郭を広げられます。サイドを短くしたり、先細りの形にしたりすると、頬から顎にかけて細くなる形が、よりはっきり見えることがあります。
- 眼鏡と眉:顔の上のほうを強調したい場合は、その部分にはっきりした横のラインを取り入れてみてください。柔らかなラインなら、フレームの主張を抑えられます。
好みの見え方を選んでください。どれも元の幅を変えるものではなく、必ず取り入れる必要もありません。
次に役立つ一つのステップ
実際に決めたいのがヘアスタイルなら、見た目の輪郭をもとにした顔型診断を使ってみてください。スタイリングの参考として、大まかな顔型を推定します。ここで扱った特定の幅や比率、骨格の測定値を出すものではありません。

Oscar Nascimento
GlowUp Face 編集ライター
Oscarは、科学的根拠に基づくスキンケア、ヘルスケア、ルックスマキシング、見た目に関する社会・経済研究について執筆しています。
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